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野生動物病理学

● 奄美群島の稀少な野生動物死亡例の病理学的研究 2017年~現在

 奄美群島の動物病院の先生方などからのご依頼により、アマミノクロウサギやアマミトゲネズミなどの稀少な野生動物が死亡しているのが見つかった場合や、傷病で保護後に治療の甲斐なく死亡した場合に、その死因について病理学的に調査しています。これにより野生下で危険な伝染病が発生していないかのモニタリングや、今後の保護個体の治療法の改善に役立てています。

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J Comp Pathol. 2023 Accept.

 Infective endocarditis with systemic bacterial embolism caused by Staphylococcus aureus in a free-ranging Amami rabbit (Pentalagus furnessi)

 M. Konnai, M Yamamoto (co-first author), K. Ito, H. Yamabe, T. E. Kishimoto, H. Aoki, Y. Machida, M. Michishita, M. Haritani, H. Yoshimura.

Int J Parasitol Parasites Wildl. 2022 18:194-200.

 Three new species of Eimeria (Apicomplexa: Eimeriidae) from the Amami rabbit, Pentalagus furnessi (Mammalia: Leporidae)

 T. Tokiwa, S. Chou, H. Kitazoe, K. Ito, R. Torimoto, Y. Shoshi, C. Sanjoba, M. Yamamoto, H. Yoshimura.

Int J Parasitol Parasites Wildl. 2019 9:244-247.

 Toxoplasma gondii infection in Amami spiny rat on Amami-Oshima Island, Japan

 T. Tokiwa, H. Yoshimura (co-first author), S. Hiruma, Y. Akahori, A. Suzuki, K. Ito, M. Yamamoto, K. Ike.

Parasitol Int. 2020 76:102058.

 Alien parasitic infections in the endangered Ryukyu long-furred rat (Diplothrix legata) on Amami-Oshima Island, Japan

 T. Tokiwa, H. Yoshimura, K. Ito, S. Chou, M. Yamamoto.

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● 動物園飼育下ニホンライチョウに発生する疾病の病理学的研究 2015年~現在

国の特別天然記念物に指定されているニホンライチョウは、地球温暖化などの影響により急激に生息数が減少しています。そこで環境省により保護増殖事業計画が策定され、2015年からニホンライチョウを動物園で飼育・繁殖し、将来的に野生に再導入する試み(生息域外保全)が始まりました。しかし、高山帯の冷涼な環境に生息するニホンライチョウは感染症に弱いなど、飼育を成功させるにはニホンライチョウに発生する疾病を解明する必要があります。当研究室は動物園飼育開始時から本事業に協力し、ニホンライチョウの疾病を病理学的に研究しています。

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​ニホンライチョウに好発する腎臓のシュウ酸塩沈着

● パラフィンZOOプロジェクト 2020年~現在

研究室の開設時から動物園動物の病理検査を続けてきましたが、2020年からさらに多くの動物園の先生方の協力を得て、『パラフィンZOO プロジェクト( Paraffin Zoo Project )』―野生動物臓器のパラフィン包埋組織ブロックの収集・保管と、それを用いた野生動物の疾病の解明事業―を本格始動しました。日々、様々な野生動物の症例の病理検査と研究を行っています。

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